cheeroの65W充電器を買いました

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AUGM大阪にいつもご出展いただいているティ・アール・エイさんが「cheero」ブランドで販売を開始した GaN(窒化ガリウム)充電器を買いました.その名も「cheero 65W GaN 3 ports USB PD Charger」です.

59×47×30mmという小さな筐体で65Wという高出力を実現しています.片手に収まるサイズですが重量は110gとずっしりしています.タバコと大きさを比べてみました.

この「cheero 65W GaN 3 ports USB PD Charger」は,USB-Cが2ポートとUSB-Aが1ポートの3ポートを備えています.USB-Cポート1ポートだけで充電する場合は,最大出力の65Wで充電が可能です.2つのポートを使う場合はややこしいので下の図を参考にしてください.フルに3つのポートを使っての3台同時充電の場合はでも,USB-Cその1は最大で45W出力,USB-Cその2とUSB-Aは合計で最大15Wでの出力が可能できます.MacとiPhoneなどを同時に充電するときに便利そうです.

GaN(窒化ガリウム)という半導体を使っているので,こんなに小さな筐体で高出力を実現しているのですが,大道としてはこのGaN(窒化ガリウム)に注目して少し解説したいと思います.

GaN(窒化ガリウム)とは化合物半導体と呼ばれるもので,有名なシリコン半導体がシリコン(Si)というひとつの元素を材料にしているのに対して,複数の元素を材料にしている半導体のことをいいます.代表的なものとして周期表のIII族とⅤ族とかII族とVI族,はたまたIV族同士の組み合わせで作られ,それぞれ異なった機能をもっています.

化合物半導体はシリコンに比べ,加工するのに便利な形にすると結晶に欠陥が多くなり,割れやすくて板状にする前のインゴット形状の大型化が難しく,材料の元素がシリコンに比べて高価なので,コストのことを考えると実用向きではないと長らく半導体の材料として使われているのはほとんどがシリコンでした.しかし,この化合物半導体はシリコンよりも電子の移動速度がはるかに速い(電気が流れるの速い)ため,超高速の信号を処理が得意であり,低い電圧で動作して熱を発生しにくかったり,光通信やマイクロ波通信との相性がよいので,現在では日常生活に広く使われるまでに成長しています.

そのなかででもGaN(窒化ガリウム(ちっかガリウム))はガリウムを窒化させた化合物半導体であり,青色の発光ダイオード(いわゆる青色LED)の材料としても知られている半導体です.GaN(窒化ガリウム)は他の半導体と比較して,熱伝導率が大きく放熱性に優れており,高温での動作が可能であり,絶縁破壊電圧が高いことから電源デバイス利用に最適であり,シリコン製の半導体から置き換えが進んでいます.

マニアックな話はこれくらいにして,この「cheero 65W GaN 3 ports USB PD Charger」は3つもポートがあるので,今まで複数の充電器を持ち歩いていたのですが,これからはこれ1台で済むのでとても重宝しそうです.さらに65Wという大出力であり,Apple純正のUSB-C電源アダプタに近い出力をこの小さなボディで実現しています.

月並みな言い方ですが,技術の進歩って本当に凄いですよね.大学で少しだけ半導体デバイスの勉強をした身としては,新しい半導体技術については興味が尽きません.我々の生活に便利な技術の進歩って本当にありがたいですね!

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